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2016年10月20日 NEW

【コラム】加工食品の原産地表示制度について

現在の加工食品の原材料名表示例:干し芋

食品の表示をどう見る?

普段買っている加工食品(トマトケチャップやハム、ソーセージ、
清涼飲料水など)の裏面の表示、皆さんご覧になっていますか?

食品に関するお仕事をされている方や、食や原材料に興味を
持っている方は、見る機会が多いかもしれませんね。

でも一方で、「見たことない、興味がない、値段しか見ない」
という方など、様々だと思います。

9月6日のコラムでも、食品表示法についてのお話を
させて頂きましたが、今回はその中の、
「加工食品の原産地表示義務制度について」です。

今は加工食品の原産地表示は、一部の食品に
限られていますが、義務化を検討するにあたり、
『すべての加工食品に表示を義務化しよう!
そうすれば、消費者(買う人=私たち)は、
商品を選ぶ時の情報が増えるし、メリットも多いだろう』
ということのようです。

また、TPP(環太平洋経済連携協定)の発効に備え、
国産品の競争力を高める対策としたことから進んだもの
でもあります。

2016年10月15日読売新聞19面より

複雑な4つの例外案

ただ、その加工食品の原産地表示義務制度、
例外がいくつかあり、なんだか逆に混乱してしまうような…
左の写真が、その例外①~④です。

つまり、加工食品の原料は、状況に応じて、産地を変えることも多く、
例外がないと表示しきれない!という理由のようです。

例外1:ソーセージの原料の豚肉が、カナダとアメリカのもの
の場合、多い順に、豚肉(カナダまたはアメリカ)と書く。

例外2:ハムの原料の豚肉が3カ国以上の産地のものを
使っている場合、豚ロース肉(輸入)と書ける。

例外3:小麦粉の原料が、輸入のものを使うときもあるし、
国産のものを使うときもある場合、小麦(輸入または国産)と書ける。

例外4:原材料産地と製造地が違う場合は、製造地を表示する。

などなど…じゃあ、書かれていても、結局どこの産地のものか疑問・・・
消費者にメリットが伝わらない上に、メーカー側も仕事が大変になるって
どうなの?問い合わせが増えそう・・・
という懸念も多く、まだまだ検討の余地がありそうです。

現在の加工食品の原材料名表示例:ココアと海苔

今後私たちはどうすればいいの?

ただ、これらの制度も、もともとは、私たち消費者の
最大のメリットを願って作られているものです。

それなのに、私たちが、表示の細部まで読まず、
価格や量、パッケージなどだけで選ぶなどをすると、
せっかくの制度がもったいないですし、無駄になります。

今後は、私たちも、表示への関心をさらに高め、それを踏まえて、
賢く商品を選んでいくことが大切になると思います。

自分や自分の周りの大切な人、お店に来てくれるお客様などが
何を求め、どのようなものを口に入れ、どんなものを提供したいのか、
そんなことを考えるひとつのきっかけにして頂ければと思います。

当カロリー計算・栄養価計算センターでは、(㈱Food Smile運営)
管理栄養士が、最新の食品成分表に基づき、栄養価計算を行います。

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