お知らせ

2016年11月08日 NEW

【コラム】あぶらの働きと摂り方について

豚ばら肉かたまり写真

あぶらについて

みなさん、「あぶら」と聞いて、なにをイメージしますか?
良いイメージ?悪いイメージでしょうか?
漢字にも、「油」と「脂」どちらもありますね。
今回のコラムは、あぶらの働きと、正しい摂り方、
量、質、摂り方のコツなどについてお話したいと思います。

脂質は、細胞膜の主な成分であり、エネルギーを作る
主な材料です。だから大切なものです。

炭水化物とたんぱく質と脂質で三大栄養素と呼ばれます。
脂質(1g=9kcal)は、炭水化物(1g=4kcal)とたんぱく質(1g=4kcal)
に比べ、1gあたり、2倍以上のエネルギーを持つことから、
人はエネルギー蓄積物質として、優先的に脂質を蓄積すると
考えられます。

簡単に言うと、「摂り過ぎると、太ります。」
(=脂肪として蓄えられます)

また、n-6系脂肪酸と、n-3系脂肪酸は、
体内で合成できず、欠乏すると皮膚炎などが
発症するので、食事から摂ることが必要です。
(必須脂肪酸)

脂質は、脂溶性ビタミン(A,D,E,K)やカロテノイドの
吸収を助けます。
コレステロールは細胞膜の構成成分であり、胆汁、
性ホルモン、副腎皮質ホルモンなどの材料でもあります。
まさに、必要なものです。
不足しても、多すぎてもダメというものなのです。

参考文献:3脂質 厚生労働省より
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4g.pdf

日本人の食事摂取基準2015年版

1日にどのくらい摂ったらいいの?

1日にどのくらい摂ればいいの?
まず、1日に必要なエネルギー量から考えてみましょう。
30~49歳の男性、身体活動レベル低い(Ⅰ)の場合、
2300kcal
30~49歳の女性、身体活動レベル低い(Ⅰ)の場合、
1750kcal
です。

脂質の(%エネルギー)の目標量は、各年齢とも
20~30%となっています。ということは、

30~49歳の男性(Ⅰ)が脂質から取れるエネルギーは、
460~690kcal=51~76g
30~49歳の女性(Ⅰ)が脂質から取れるエネルギーは、
350~525kca=38~58gです。
グラムで言われてもピンときませんね^^





マクドナルドのフィッシュバーガー1個(脂質26.1g)
とフライドポテトMサイズ1つ(脂質24.2g)、
とウーロン茶のセットで合計脂質50gです。

カツカレー1人前、脂質約40.2g
牛丼並み盛り1人前、脂質約25.4g
カルボナーラスパゲッティ1人前、脂質約45.1gです。

いちごショートケーキ1つ、脂質約33.7g
アイスクリーム1つ、脂質約10.3g
(乳脂肪分の量による)
カレーパン1つ、脂質約17.3g

ふー…食べるの止めようかな。
そういうことじゃないんですが、
目に見えない形でも、脂質って
意外にたくさん摂れてしまっているものなんです。

秋刀魚

では、どんなあぶらをどのくらい摂ったらいいか?

ちょっと専門的になりますが、
脂肪酸の種類は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分けられます。

飽和脂肪酸(常温で固体)は、
主に、動物性の脂肪で、肉の脂身や
バターやラードなどが主な食品です。

不飽和脂肪酸(常温で液体)は
植物性脂肪(オリーブ油、ゴマ油、サラダ油など→n-6系)と、
魚油(魚に含まれる油→n-3系)に分けられます。
EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)
などど聞くと、耳にしたことがある方もいますよね。



飽和脂肪酸などは、摂りすぎるとコレステロールを増やし、
動脈硬化を進める危険もあるため、摂りすぎ注意です。

じゃあもう脂たっぷりのとんかつなどは
一生食べられない?!…;;と嘆くのではなく、
対処法としては、お昼にお肉を食べたら、夜は魚と豆腐に置き換える
とか、夜に飲み会があり、から揚げや焼き鳥も食べるだろう
ならば、朝と昼は、飲み会で食べられないような、野菜や果物、
海藻類などを意識して摂るなど、工夫が必要です。

調理法(揚げ物、炒め物ばかりなど)が、
重ならないように意識するなどもポイントです。

参考文献:文部科学省
日本食品標準成分表2015年版(七訂)準拠より

食事は、「美味しく、楽しく、感謝して頂く」ことがモットーで、
なにを食べたからこれが治ったとか、
こう食べるべきというものではありませんが、
そんなに食べてないのに
(見えないあぶらで、実は脂肪を摂っている…)
痩せないなあとか、
バランスよく食べているつもりなのに、足りていないなあとか、
客観的に見えてない部分もありますね。

そこを、栄養価計算をして、数字で捉えてみるということも
一つの判断材料になるのではないかと
このセンターの将来性も、面白さも感じる
今日この頃であります。

皆さんもこの面白さ、一緒に体感してみませんか?^^
当カロリー計算・栄養価計算センターでは、(㈱Food Smile運営)
管理栄養士が、最新の食品成分表に基づき、栄養価計算を行います。